電池交換について
ウォッチレスキューではアナログの腕時計をはじめ、デジタルウォッチ・万歩計まで、あらゆる時計又は類似するものの電池交換を承ります。
以下では少しクォーツ(電池式)時計について述べさせていただきます。
一般に、クォーツ時計とは水晶片でできた水晶振動子の働きを利用した高精度の時計のことをいいます。その多くが電池式の時計でもあります。
現在ではクォーツ時計=電池式の時計として扱われることがほとんどです。
そして『クォーツ(電池式)時計は突然止まります。』
「1時間前は動いていたのに…」とお客様はよく仰います。
クォーツ(電池式)時計には普通の乾電池とは違って、酸化銀電池やリチウム電池という特殊なものが使用されております。
これら電池の特徴は、1.5Vないし3Vの電圧を保ち続け、下図のように寿命が近づくと急激に電圧が減少していきます。
時計は電圧残量が無くなる寸前まで精度を保ちながら動き続けます。
よって、使用途中で電圧を測ってあとどのくらい時計が動くかということを推測することは出来ません。
腕時計の使命は『時を可能な限り正確に刻むこと』なので、このような特殊な電池が使用されているのです。
これとは別に、目覚まし時計や壁掛け時計は通常の乾電池が使われていることが多いです。
乾電池とはマンガン電池やアルカリ電池などのことをいいます。残念な事に乾電池は腕時計用の電池と違い使用時間とともに電圧が減少していきます。
よって、こちらは遅れる、時間がずれるなども起こります。
例えば、懐中電灯などにも多く使われておりますが、電圧が低くなると徐々に暗くなるのと同じです。
『突然止まります』と言いましたが、腕時計によっては電池の交換時期を知らせてくれる機能のついた優れたものもあります。
秒針の付いた時計に多く、EOL(End Of Life indicater:バッテリー消耗表示機能)といい、秒針が2秒ごともしくは4秒ごとに動いたりと普段と違う動きが見られます。
デジタルウォッチであれば、表示が点滅します。故障と思わず電池交換にお持ちください。
電池交換作業
例えば千円の無名ブランド時計でも、一千万円もするカルティエやパテックフィリップのようなスイスの最高峰ブランドの時計でも、クォーツ(電池式)時計である限り同じ電池で動いています。
我々はその全ての時計に対応しうるだけの技術を持たなければなりません。
使用されている時計は、その時計の使用状況や環境によって交換作業時の注意点が異なります。
つまり、同じ時計でも使い方次第で、状況がまったく違うのです。
電池は時計ケース裏側の蓋を開けて交換する構造がほとんどです。開閉するその作業には熟練者の技術が必要となります。
電池交換の流れ
ウォッチレスキューでは、時計技能士検定の取得者が作業を行います。
各スタッフとも時計職人(ウォッチメーカー)としてオーバーホールを中心に行ってきた者、百貨店修理コーナーで数多くの電池交換の経験を積んだ者が対応させていただきます。
早めの電池交換のご提案
昨今通信販売で時計を購入する方が増えています。これらのお店は実店舗を持たず、実物を見ないで購入する形式をとっています。
よく聞かれるのが「どこで電池交換や修理をお願いできるのか」ということです。
特にスイス製全般の時計に言えることですが、工場出荷時の電池のことを「モニター電池」といい、あまり状態が良くないものが多くあります。
腕時計に使用される酸化銀電池ですが、マイナス金属とプラス金属の間にゴムパッキンが使用されています。
そのゴムパッキンが劣化すると、中の液体が流れて(漏液)、機械自体を腐食してしまいます。
そうなるとオーバーホールが必要となり、修理代も割高になってしまう恐れがあります。
補足になりますが、腕時計に使用される酸化銀電池は、スイスのような海外製品よりも日本製のものの方が優れています。
もともとクォーツ(電池式)時計は日本が発明したものであり、それに適した電池に関しては、それを創るノウハウとメイドインジャパンの信頼性が顕著に現れております。
ウォッチレスキューでは、さらに国産の無水銀製酸化銀電池を使用し環境にも配慮しております。
また、国産電池に関しても、電池切れによって止まってしまった状態で長期間保管した場合、保管温度や中の液体の膨張などにより漏液が起こることもあります。
やはり、止まってしまった場合は速やかに電池交換を行うか、電池を抜くことをお勧めいたします。
電池交換について述べてまいりましたが、クォーツ(電池式)時計が止まった場合、必ずしも電池交換で動くとは限りません。
止まってしまった原因が電池切れ以外の故障ということであれば、オーバーホールが必要になってくることも考慮いただければと思います。